6月 2020

ジェンダーの違い: その先に

作成者 Serena Tittl

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6月 2020 作成者 Serena Tittl

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ジェンダーの違い。平等とジェンダーバイアス。職場における多様性。個々の立場に関わらず、これらのトピックには個人的な意味合いが含まれており、様々な感情を引き起こします。しかし、なぜでしょうか?

ジェンダーの違い。平等とジェンダーバイアス。職場における多様性。個々の立場に関わらず、これらのトピックには個人的な意味合いが含まれており、様々な感情を引き起こします。しかし、なぜでしょうか?

個々の立場に関わらず、これらのトピックには個人的な意味合いが含まれており、様々な感情を引き起こします。

しかし、なぜでしょうか?

この調査の前は、交渉におけるジェンダーや多様性を巡る問題についての私の認識は、ほとんど「聞いた話だけど」程度のものでした。私は、全員が女性で構成されたチームに参加したこともあれば、45人のグループの中で私だけが女性のチームに参加したこともあり、ジェンダーや経験、民族などが多様なチームに参加したこともあります。私がこれまで経験してきた中ではっきりと言えることは、創造的で生産的な成果と、チーム内の多様性との間には相関関係があるということです。

多様性に万歳三唱といった感じでしょうか?そうですけど…ちょっと現実も見てみましょう。なぜなら、はっきり言って、それらのチームは必ずしも毎回簡単なものではなかったからです。実際のところ、幅広いアイデアや貢献度のバランスを取ることが求められる、非常に大きな難題を抱えたチームだった時もありました。しかし、この難題にもかかわらず、あるいは難題があったからこそ そのチームは圧倒的により多くのプラスとなるアウトプットを実現したのです。

これまで述べてきたように、これは私の逸話的な経験であり、私がこれまでのキャリアで学んだことは、自己中心的なバイアス(広い視野で分析する際に、自分の経験の影響を過大評価すること)には注意が必要だという点です。そこで私は、自分の経験だけに頼るのではなく、ジェンダーと交渉の問題も、交渉そのものと同じように、入手可能なデータや調査を掘り下げて考えてみました。交渉について、とりわけジェンダーや多様性が交渉に与える影響に関連した調査はほとんど行われていないことにすぐに気付いて、忸怩たる思いをしました。存在する調査結果も、答えよりも疑問が残るものばかりです。

このような観点から、この問題に対する個人的な見解や他の調査結果を知っているかどうかにかかわらず、本調査は現在の意識と行動に関するグローバルな実態調査と位置付けられます。自分の個人的な偏見を自覚することは、この情報をデータとして消化できるようになるための第一歩です。それは正しいことでも間違っていることでもなく、ジャッジすることでも非難することでもありません。 むしろ、改善のために活用できる必要なデータを提供してくれます。つまり、この調査をコップに水が半分入っているのか半分入っていないのか、というアプローチで捉えると、コップには水を完全に注ぎ足すことができるという点を見逃してしまうのです。また、水位がどこまであるのかわからない場合、どうやってコップを一杯にすることができるでしょうか?

私にとって、この調査で明らかになった学びと思考は、私が個人的に経験した課題と類似していることを思い起こさせます。そこでは私は直接的で「タフな」女性交渉人と判断されたのです。この調査結果は同様の感情を反映していますが、この調査は目的地ではなく、全体的な水位が現在どの程度なのかを確認するための重要なステップであることを理解しておく必要があります。

ここが出発点であり、この勢いを維持していくかどうかは私達全員にかかっています。この調査では、回答者の自分についての発言や考えに基づいて測定しましたが、観察によってジェンダーや多様性の違いを数値化する機会もまだ存在します。言葉は1つの側面を描写しますが、行動は別の側面を描写することが多いのです。例えば「インタビューした男性のうち、ほとんどの人が、拳で物を叩いたり、怒鳴ったり、極端にこだわったりする昔ながらの交渉戦術を不適切だと感じていた」という調査結果がありますが、これらの行動はいまだに続いています。このような行動がいつ、どこで、どのように行われるのか、更に調査する必要があります。

それは(性別や思考の)多様性がほとんどない交渉の場で行われているのでしょうか?また、不適切であると判断されたにもかかわらずその行動を容認し受け入れることができる環境はどのようなもので、不適切な行動を断固容認しないという環境はどのようなものでしょうか?行動が警告のようなものだとすれば、行動をより詳細に把握することは、交渉における多様性とジェンダーの課題を支える根深い問題へのシグナルを見極めるための強力なツールとなる可能性があります。

交渉時の違和感については、アンケートでも強調されているように頻繁に言及されています。このため、この調査で明らかにされた情報に対する自分自身の満足度をハッキリさせるのが適切です。今回の調査結果に満足していますか?そうだとしたら、なぜですか?その調査結果に満足できなければ、その理由を自分自身に聞いてみて下さい。満足しているしていないに関わらず、 深く掘り下げて、自分自身に問いかけてください。それからもう1度理由を問いかけます。更にもう1度。 

なぜ?という問いかけと定量的調査データが、建設的で必要な対話を行い、今後の方向性にポジティブな影響を与えるための最大の武器となります。

このトピックについてご興味のある方は、以下の「ジェンダーと交渉」レポートをダウンロードしてください。 

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Serena Tittl